佐渡島でいまなお活発に展開される伝統芸能(佐渡民謡、鬼太鼓、文弥人形、のろま人形、能、佐渡鷺流狂言、春駒、つぶろさしなど)について、
その地域差も含めてなるべく網羅的に収録し、その地域と芸能の内容についてのガイド、
また、その芸能へのアクセス方法や催しの日程等を結びつけたひとまとまりの情報を提供する、
実用的なデジタルアーカイブを目指して、設立いたしました。
佐渡の豊かな伝統芸能を、
時代の情報のあり方や使い方にあったかたちで人々の興味や観光などに結び付けると同時に、
無形の文化財を、動画による記録資料のアーカイブとして、
文化振興や継承などに役立つものとしていきたいと考えています。
※スケジュールは例年の日程になります。開催年によって、日程が変わる場合があります。
正月
1月3日
4月1日
4月3日に近い土曜
4月の第二日曜
4月13日
4月14,15日
4月14,15日
4月14,18日
4月14,15日
4月15日
4月15日
4月15日(隔年/2018年)
4月16日
4月16日
4月18日
4月27日
4月29日
4月第四日曜
5月4,5日
5月4日
5月の大安の日
6月5日
6月8日
6月上旬の週末2日間
6月12,13日
6月15日
7月15,16日
7月15, 23日
7月20日
8月ごろ
8月末の土日
9月1日
9/15に近い日曜
9月の第二日曜
9月15日
9/15に近い日曜
敬老の日の前の日曜
9月下旬(佐渡民謡の祝祭)
9月の第四日曜
体育の日前の日曜
10月の第二土曜、日曜
10月16日
10月18,19日
10月19日
10月20日
11月2日
北田野浦まつり
動物に仮装したものが太鼓などで囃子ながら中で踊り(しし舞)、その外側を「花笠」踊りが取り巻く。獅子頭は、竹の骨組みに苔を貼り、頭の毛にスガモという海藻を使う。薄明りの下で行われる幻想的な芸能。
やわらぎ
佐渡金銀山が繁栄した江戸時代、山の神の心を「なごめ、やわらげる」とともに、やわらかい鉱石に当たることを祈って金掘りの人たちが歌った唄で、豊かな金銀鉱脈の発見を願う鉱山の祝歌。
説経人形とのろま人形
説教人形・文弥人形の間狂言。一人遣いの突っ込み人形をあやつる遣い手が佐渡弁の巧みなセリフ回しで、場の雰囲気に合わせ話を展開。時事ネタや風刺も交え、観衆の笑いを誘う。
沢崎まつりの大獅子
大獅子が、無病息災を願って集落の家の人の頭を噛んだり、漁港で岸壁から海に落ちて引き上げられたりする。ほかに、尉面で手に茄子を持っているマメ、鬼面で金棒を持ったゴツがいる。
河原田まつりの鬼太鼓
神輿が天狗、稚児、下がり羽の先導で集落をまわり、道中数か所で、稚児による鬼の舞が披露される。夜にかけて、大万燈の引き回しがあるが、近年、青森のねぶたを参考に迫力ある大万燈を製作するようになった。
徳和まつり(春)
鬼太鼓は相川鉱山の抗夫が金を掘る姿を舞に取り入れたのが特徴で、オスメスの鬼が薙刀やバチを持ち片足をあげて舞う。「木遣り」が10番まで唄われる中、大獅子が時間をかけて石段を上る様は見応えがある。
湊まつり
八幡若宮神社の例祭。大人と子供の鬼太鼓、獅子舞、芸山車に、女組神輿、子供樽神輿もある。祭りを終わらせたくない若衆が、鳥居前で神輿を止めようと押し合う「ねり神輿」が名物。
松前まつり
サカキや松の枝で飾られた山車に、太鼓と裏打ち役を乗せて、ロープで引きながら家々をまわる。鬼太鼓の舞手は、鬼面をつけない助打ち。半纏を来た奏者が舞うこともある。すり足が基本で、わらじが早くすり減る。
片野尾歌舞伎
明治の初めに、佐渡に住みついた旅役者から芸を教わったのが佐渡の歌舞伎の始まり。片野尾歌舞伎は、大正15年に始まり神社の例祭に奉納されてきたが、戦争や役者不足などで何度も中断したが復活。
文弥人形芝居
着物の背を縦に裂いて、左手で胴体の軸を握り、糸を中指に巻いて頭を動かし、右手を右袖の中に入れて使う「差し込み式」で、豊かな感情表現が特徴。頭が前後左右に動くので「がくがく人形」とも呼ばれる。
車田植
佐渡北端、北鵜島集落の北村家に伝わる豊作を祈る稲作儀礼で奈良時代の田植え神事の姿を残す。「うずまき状」にきれいに植えられた田んぼは、神さまが降りてくる印になる。
鷺流狂言
宗家が廃絶し、中央から消えた鷺流狂言が、佐渡で民間芸能として生きていた。残されていた狂言本をもとに現在、佐渡鷺流狂言研究会中心となり鷺流狂言の継承者養成に務める。
稲荷町の小獅子舞
桜の柄の幕の「雄じし」、鹿の角に紅葉の柄の幕の「雌じし」、鏡と鶴亀の柄の幕の「子じし」の三匹による踊り。しし頭の毛にはスガモと呼ばれる海草を泥で酸化させたものを使い、毛がよくなびくように椿油を塗る。
戸地まつりの白刃
神道白刃は、武術を長く忘れることのないようにと武技の形に鬼太鼓の舞を取り入れた武芸。武具は、小薙刀・大薙刀・半棒・大棒・陣鎌の5種。その組技が54もある。最後は、相手の刀に鎖を巻き付け奪い取る。
後尾まつりの鬼太鼓
佐渡の鬼太鼓の中で、唯一、天狗の面をつけた鬼(天狗)が登場して舞う。天狗の舞は、鬼の舞を変化させて舞っても良いとされていて、時には、他の鬼の舞の最中に乱入したり、太鼓を叩いたりもする。
赤玉まつりの花笠踊り
日本3大銘石にも数えられる「赤玉石」の産地「赤玉」集落の例祭。大獅子や鬼舞のほか、あでやかな衣装に花笠をかぶった子供たちが稲作の様子を演じる「花笠踊り」で五穀豊穣を祈る。京都から伝わった説あり。
三川まつりの鬼太鼓
腰細集落の鬼太鼓は、ロウソ・打ち子・黒鬼・赤鬼で構成。鬼は、バチ、長刀、まさかりの三種類のどれかを持ち、片足を大きく上げて踊る。また、大獅子が神社の急な石段をじわじわと上がる「練上げ」が見どころ。
羽茂まつりのつぶろさし
おけさ柿の産地、羽茂地区の大神楽舞楽。男根に似せた木の棒を持って舞う「つぶろさし」という主役の男や、竹の楽器ササラをすりながら、つぶろさしにせまる美女役の「ササラすり」が登場する。
舟下まつりの鬼太鼓
舟下の鬼太鼓は、能の要素を取り入れた舞が特徴の潟上集落の鬼太鼓に、独自の洗練された舞を加えている。鬼太鼓の名を全国的にした。口を閉じた吽の黒鬼、口を開けた阿の白鬼の阿吽一対の鬼に対し2匹の獅子が絡む。
杉野浦まつりの小獅子舞
三匹獅子踊りに、ささら踊りと太刀の舞が加わるのが大きな特徴。先獅子が雄で頭に刀、中獅子が子供で頭に飾りがなく、後獅子が雌で頭に角の飾りを付けている。太刀の舞は、三匹の獅子を順に切るように舞う。
大久保の田遊び神事
年始に田仕事を模擬的に演じて稲の豊作を祈る予祝行事。餅を切って鍬の柄をさして餅鍬を作り、豆がらを焚いて、餅鍬の先に焼きを入れる。畳をロの字に敷いた中の板の間を田んぼに見立て、丸く車田方式に田植えする。
春駒
豊作や大漁を願う予祝として正月に門付けを行う芸能。かつては全国で行われていたが、現在はわずか数ヶ所に。木製の馬の首型を腰につけ馬にまたがったような形で舞う男春駒と、馬の首を手に持って舞う女春駒がある。
南片辺まつり
裏太鼓のリズムで子どもたちが舞う御太鼓、棒や長刀、そして三匹獅子の舞い。三匹獅子は白装束で、親獅子の雄と雌は頭に角がある。赤と青の桜模様の描かれた頬垂をし、腰に付けた太鼓を叩いて、ゆっくりと舞う。
佐渡民謡
佐渡おけさで有名な佐渡民謡は、13種類もある盆踊り唄のひとつだが、佐渡には他にも、労作唄、祝儀唄、神事唄を含む季節行事唄、仏教唄など多くの民謡がある。復元された佐渡奉行所で「佐渡民謡の祝祭」を開催。
相川まつりの御太鼓
佐渡金銀山で栄えた旧相川町の7つの集落の例祭で、大工町の太鼓組の鬼太鼓が登場する。太鼓組は裏太鼓、豆まきの翁、長刀、棒、七つ役、提灯で構成され、烏帽子をかぶった豆まきの翁は、升と柿を持って舞う。
多田・黒根まつり
腰に「大将」と呼ばれる男根を模した木の棒をぶら下げたロウソが、祭りの仕切り役で、門付けでのご祝儀披露や口上を述べ、次に打つ鬼を指名する。夕方の「神輿のお迎え」で、二集落入り乱れての鬼打ちがみどころ。
宵の舞(相川音頭流し)
江戸時代に佐渡金銀山と佐渡奉行所を結んだメインストリート「京町通り」で、日没後にぼんぼりに火がともると、島内外から参加した民謡愛好者が浴衣に編み笠姿で、生の演奏と哀愁をおびた歌にあわせ踊り流す。
大膳神社の奉納能
大膳神社の能舞台は、佐渡に現存する35の能舞台の中で最も古く、茅葺き、寄棟造。佐渡で能に携わる人たちの多くはプロではなく、それぞれ仕事をしながら能の研鑽に努めている。演能のシテ方は、今は全て宝生流。
天王まつりの鬼太鼓
この集落の鬼太鼓は、江戸時代に能太夫が鬼舞に能の動きを取り入れた振り付けで、牛尾神社に奉納したとされている。この振り付けは、佐渡の鬼太鼓の6割が取り入れている「潟上型」の始まりとされている。
久知八幡宮例大祭の奉納芸
県無形文化財の花笠踊り、刀刀、鬼太鼓等の芸能が、3集落から古式ゆかしく奉納される。花笠踊りは1500年代から続き、田植えを祝う「御田踊」、豊作を祝う「神事踊」、収穫を祝う「千代踊」「金田踊」から成る。
小布勢まつりの大獅子
高崎集落の雄獅子と西三川集落の雌獅子2体の大獅子に、10人近い男衆が入り、五穀豊穣などを祈願して、威勢良く舞う。途中の集落の御旅所では、腰を低く落とし頭を左右にゆっくりふるなどの長い舞が見られる。
新町まつりのたかみ獅子
「たかみ」とは、竹や藤づるで編んだ農具(藤箕)。米などの穀物をふるい殻や塵を取り除く。「たかみ」を上下に重ねると獅子頭に見えることから作られたという。獅子には10人の男が入り威勢良く門付けしてまわる。
椿まつりの鬼太鼓
椿の鬼は、赤面の雄、赤面の雌の阿吽一対。衣装に特徴があり、オレンジや赤の生地で花柄、モンペは雄がえんじ色、雌が紺色でチェック柄。戦後、集落で家の布団の生地などを持ち寄って縫い、復活させた。
浜河内まつりの鬼太鼓
二人の鬼が向かい合って舞う前浜型鬼太鼓。門付けでは、各家でお花(ご祝儀)がいくつも出され、その数だけリクエストに応じて、多様な鬼の組み合わせで舞う。大獅子に頭をかんでもらうと一年健康に過ごせるという。
莚場まつりの鬼太鼓
赤鬼と青鬼が向かい合って舞う前浜型鬼太鼓。地面を踏みしめるように舞う。鬼のほか、頬に赤い紅を塗った艶やかな衣装の子供の舞手(打ち子)や、進行役でご祝儀を披露する半面をつけたローソも加わり賑やかに舞う。
宿根木のちとちんとん
「ちとちん」と呼ばれる男根を持った男役、「とん」と呼ばれる摺りササラを持った女役のユニークな舞が特徴。人間の性的行為を作物などに感染させる感染所作(かまけわざ)で五穀豊穣を祈る。
四日町まつりの鬼太鼓
紺色の髪の雄と赤色の髪の雌の鬼が中心となって舞い、豆まき翁が気分が乗った時に絡む。豆まき翁は、黒の尉面で烏帽子を冠り、男根を模した木製の棒を持って自由に舞う。
中原・鍛冶町まつりの鬼太鼓
豆まき型の鬼太鼓で、豆まきの翁、鬼二匹、太鼓で構成。翁の衣装の背中に、鶴と八葉矢車が染め出されている。時々、翁の「ダーホイ」の掛け声で太鼓のリズムが変わるのが珍しい。
住吉まつりの鬼太鼓と樽囃子
50年前に地元の有志により始められた住吉の鬼太鼓は潟上型。子供から大人までが参加し、港町らしい荒々しい動きが特徴。近年は、女性による樽囃子が披露される。息のそろった高速打ちが見どころ。
加茂歌代まつりの鬼太鼓
上組、中組、下組の3組の鬼太鼓が賑やかに門付けしてまわる。鬼太鼓の舞いは、両津夷集落から習ってきたものとされ、動きが大きい。朝6時に神社でそろって舞を奉納したあと、夕方まで門付けを続ける。
二宮まつりの鬼太鼓
能の所作を鬼の舞に取り入れた潟上型鬼太鼓。鬼は赤鬼と青鬼。太鼓のリズムは金井新保の鬼太鼓の裏打ちに似た軽快さが特徴。
小田まつりの麦まき
「ササラ」「四つ切り舞」「麦まき」から成る。「麦まき」では、鍬を持ったヒョットコが畑を耕し、オカメが箕を持って麦をまく所作をする。いたずらをする天狗を夫婦が協力して捕まえる。
中興まつりの鬼太鼓
中興集落内の3つの地域からそれぞれ鬼太鼓が出て各家を門付け。それらが夕方に中興神社に集まり競演するところが見どころで、正式な舞が見られる。子どもは、鬼に頭をなでてもらうと一年、健康過ごせるとか。
岩首まつりの鬼太鼓
二人の鬼が組になり、交差しながら舞う前浜型。鬼以外に鮮やかな衣装にたすき掛けの助打ちも舞に加わり、一軒の家で何度も舞う。夜、門付けを終えて、大獅子が神社の前の坂道から石段を上り、ゆっくりと神社に帰る。
八幡まつりの鬼太鼓
豆まき型の鬼太鼓で、長刀を持つ青鬼、棒を持つ赤鬼、升とナスを持つ黒面の豆まき翁、白面の豆まき翁の構成。白面、黒面の翁が交互に舞い、鬼を退散する。八の字に足踏みする翁の舞は、麦踏みを模している。
琴浦まつりの大獅子
小木琴浦地区にある白山神社の祭礼。当日は、佐渡では唯一、獅子頭と胴体が赤色の大獅子が家々を厄払いの門付けしながら練り歩く。幣束を持った子どもたちが獅子の先導役。
長江まつりの鬼太鼓
長江集落の三峰神社の祭礼として鬼太鼓が門付けしてまわる。阿吽一対の鬼が舞う潟上型鬼太鼓。メスの面には角が無くオスは有る。狭い場所でも舞えるよう足を丁字型に広げ腰を落としてじっくりと太鼓に向かう。